音質に拘らず自作オーディオアンプを作ってみる(1)


最近実験でオペアンプを使って遊ぼう(白目)という項目をやったので、アンプと言ったらオーディオアンプだよね!ということで作ってみます。
音質はそんなにこだわらず、とりあえずフラットな感じの周波数特性で行きたいと考えています。それでは参りましょう。

追記
フラットにしたら低音がうるさく聞こえたので台形の周波数特性にしました。詳しくはその2を参照。

回路図

とりあえず以下に回路図を示します。説明はこの下で行いますね。贅沢に9Vの両電源を使います。

オペアンプのイマジナリショートと回路方程式より、入力に対する出力(R5)の電圧比Aは
$$ A = \frac{R_2}{R_1} $$

となります。左側の段で負帰還回路を形成し、この増幅を行っています。ダイオードの段以降では電圧増幅は行わず、波形をオペアンプの出力から取るのではなく電源から直接取るようにし、電流量を十分に賄えるようにしています。俗に言う電流増幅ですね。

この2段を合わせて、電力増幅と言います。

さあ、この回路でオペアンプの種類を変えて2つについて、周波数特性を測ってみました。

NJM4558は 3.373dB となっているようですが、これは入力電圧を間違えたため利得が小さく見えるのでした。実際はどちらのオペアンプにも20を足してください。NJM4558では23.373dBです。高周波の利得を考えるとLF356の方が良いんですね。さて早速せいさk(ry

しかし、僕の中にはオペアンプを使うのはゆとりであるという謎理念があるので、トランジスタを使ってディスクリートで組むことにします

トランジスタでやる

便利なものを使わずこういう所で苦労する、というのも趣味の醍醐味ですな。サッパリと出来ては面白くないですよね。やはり。ちなみにゲームはヌルゲーが好きです。

また、私は以前に『定本 トランジスタ回路の設計』と言う本を読んで投げ出したので、再読・再実験と言う意味でやってみたいと思います。

回路図(全力)

汎用トランジスタを使っていい感じに増幅できれば十分ですはい。ということで2SC1815-Yと2SA1015-Yを使ってやっていきます。このトランジスタは小さいパッケージなのであまり電力を食わせるわけには行かないのですが、とりあえずそれは今のところ無視して、LTSpice上で全力の出力を取ってみました。その回路図が以下です。

なんかごちゃごちゃしていますね。しかし全てこの回路に必須なものです。図の1Ωはちょっと実験用に色々値を動かすために入れています。実際の回路ではここを可変抵抗にして、ボリュームとするつもりです。
それにしても5石も使うとは…自分でも思っていませんでした。

Emitter Common と書いてある部分はエミッタ接地増幅回路です。トランジスタのhパラメーターモデルを考えていただければ分かりますが、交流的には電源とGNDは等価です。ですので交流だけしか興味ない!と言う場合はともにGND接地して考えます。R2とR3およびR7はベースに流れ込んだ電流が増幅された結果、それによる電流源出力を分圧しているものです。
もう少し説明しましょう。hパラメーターモデルによって、交流電圧VinはほぼそのままR3//R7に印加されるとわかります。この合成抵抗はおおよそ100Ωですね。この合成抵抗に流れる電流iは
$$
V_\mathrm{in} = (R_3//R_7)i
$$
$$
i = \frac{V_\mathrm{in}}{R_3//R_7}
$$
と表せます。このiはまたR2を流れますので、C2右側の出力電圧Voutは
$$
V_\mathrm{out} = 0 – R_2i = -\frac{R_2}{R_3//R_7}V_\mathrm{in} \simeq -33V_\mathrm{in}
$$
であるから、利得Kは
$$
K\equiv \frac{V_\mathrm{out}}{V_\mathrm{in}} = -33
$$
と求まります。実際は下の図のような振幅になります。ちっこいのが入力振幅0.1V、大きいのが出力振幅2.6Vです。

増幅率は2.6/0.1 = 26で、先程の計算と7も違いますね。何故でしょう。自分もよく分かりません…おそらく他の回路への電流の流れ込みかトランジスタの内部抵抗かなにかでしょう(適当)。まあそれでも増幅できているので良いということにします。
周波数特性については以下のとおりです。


いい感じに低周波域もでています。これぞA級動作、おおよそ28dBですね。

実際に作るにあたっては実はこれ無理でして、一番大きい消費電力となるのが一番右の段の2つのトランジスタです。うち1つを考えると約0.57Wで、コレクタ損失の絶対最大定格の400mWを超えてしまっています。また、そんなに電力を得ようとは考えていません。よって、この3.3kを1.2kとして作ります。

そんなこんなで長くなったので制作編は次回。