いつもの話とは打って変わって、初任給でオシロを買った話。DS1102Z-E を買いました!!!結論から言うと満足です。
シャカイジン1ヶ月目
アカデミアの世界から抜け出して(といっても修士卒ですが...)社会に適合しました。4月の給与が入り、予想よりも多くて調子に乗って買ったという感じです。
初任給は親に使おう...と思いましたが、両親ともに「回転寿司をおごってくれればいい」とのことでしたので、額が少なく不本意ですが、はま寿司をおごりました。俺ってカッコいい!!
閑話休題。やはり賃金をもらうと気持ちがホクホクしてくるじゃないですか。ということで前々から欲しかったデジタルオシロスコープを購入することに決定です。
Amazon で良さそうなものがあったのでポチりました。
【電子工作マニア向け】ってなんか煽られてる気がしますが、値段の割には高機能なオシロらしいです。3万円台ということで前々から欲しかったです。お酒をグイっとやった勢いでポチ。全く後悔していません。
また、正規代理店経由での購入ですので保証等もしっかりと受けられます。
これまではこちらの DSO Note II を持っていましたが、タッチパネル精度がダメダメだったり、プローブが接触不良を起こしたりして非常に残念でした。あと 100kHz くらいまでしか波形を観測できない。今回は心機一転、ちゃんとしたものを買いたくなったわけです。
スペック・マニュアル
オシロのスペックってよくわかりませんが、概ねサンプル数とメモリサイズが指標らしいです。一応公式サイトからの情報とその他情報を列挙。
- 1G sample /s
- 24 Mpts
- いずれも電子工作用途では十分すぎる。
- シリアルデコーダ付き
- シリアル通信の波形をいい感じに解釈してくれる。
- 日本語マニュアル付き/日本語表示対応
- さすが中華企業。日本へのマーケティングも意識しているのか、日本語対応とは...感謝です。でもオシロの表示は英語にするけどね。カッコいいから。
- 7インチ液晶搭載
- これ地味に良いです。めちゃデカイというほどではないですが、非常に見やすいサイズ。
あと、以下のサイトでもレビューされているのでこちらのほうが詳しいかも。
また、マニュアルは RIGOL 公式のサイトから、DS1000 で検索をかけると見つかります。
買った
この時はワクワクしていて写真等をほぼ撮っていませんが、ツイートをお見せします。
オシロきましたね〜 pic.twitter.com/uKC1Fr2LGP
— しまじゃき (@obknt) May 6, 2021
↑箱は外箱と内箱の二重で、中華企業には珍しくしっかりと梱包されていました。偏見抜きに一流企業ですね。RIGOL は。
— しまじゃき (@obknt) May 6, 2021
思っていた以上にコンパクト
そしてプローブは2個付いてる! pic.twitter.com/azRABaD97v— しまじゃき (@obknt) May 6, 2021
現場猫接続で動いてます😅 pic.twitter.com/nKYcMXYKbK
— しまじゃき (@obknt) May 6, 2021
↑僕は弱電系の人間なので、とりあえず漏電の危険性は無いです。なのでアースはフローティングですが、流石にこれで AC 100V を測定したりはしません...
プローブのキャリブレーション中... pic.twitter.com/Dgfus1Jghk
— しまじゃき (@obknt) May 6, 2021
測定
波形を測定してみました。以下に例を載せます。単純な波形測定では面白くないので演算機能を使ったものを掲載します。
こちらはシリアルデコーダ機能を使ったものです。RS232 (いわゆる UART) と I2C, SPI が使えます。今回は UART で汚い言葉ですが、115200 bps 指定にてデコードを行いました。便利ですねえ。マイコンの UART ペリフェラルでの動作確認もこれで可能です。man ascii
とか打ち込んで見る必要もないわけです。さすが。
お次は FFT 機能。オシロと言ったらこの機能です。これまで持っていた DSO Note II ではこの機能がなかったので歪み等がわかりますね。
今回は矩形波を見ていますが、横軸は線形なので、 2n * 1 ☓ f0 の周波数が存在することがわかります。流石にデジタル & 複数周期の波形の平均で計算をしているので、それ以外のスペクトルでノイズが有るのは仕方ないです...
こちらは STM32F303 マイコンの DAC ペリフェラルでデジタル的に生成した擬似的な sine 波形です。ピーク周辺で歪んでいますがスペクトル (FFT 結果)は割といい感じの値を出していることがわかります。ほぼ単一周波数ですね。
USBの測定
以下では長くなりますが USB (48MHz) の観測波形を示します。黄色が CH1 で D+、青色が CH2 で D- を表します。紫色の波形が CH1 - CH2 で D+ - D- の差動ロジックを再現しています。ただ、DC 成分がありますので、Low となる部分は負電圧になりますが無視してください。
↑SOF の計測結果。SOF は時間とともに値が変わるので一定ではないことに注意。D- の終端が遅れているのはなにか意味があるんですかね??
↑CH1 と CH2 のプローブの COM(GND) を分離させた図。 高周波に足を突っ込んだ周波数帯と言うことで、位相差があるんでしょうね...!
これまでの中華オシロでは観測できなかったノイズで嬉しい限りです!
↑上の例に加えてプローブの倍率を X1 にしました。こうすることでプローブのインピーダンスが1/10倍になって周波数特性が良くなります。詳細はパッシブプローブの内部等価回路を見てみると分かると思います。実際、やはりそうでした。そして波形同士のクロストークが見えるという。
↑更に端子から取る配線長を長くしたものです。あまりノイズは増えていないけど、差分ではちょっと増えてます。
これによって高周波の実感にもなりましたし、良い教材として大満足の一品です。
不満点
一応あります。項目を決定するノブの反応が良すぎることです。ノブをプッシュすることで選択中の項目を確定するのですが、ちょっとでもひねるとすぐに隣の項目に移ってしまいます。操作性に難ありですねえ。プチストレス。
まとめ
...と、FFT も付いているし、シリアルデコーダ機能もあるし趣味には十分かと思われます。そして機能の割に値段が安い!!
皆さんも是非ご検討を。テクトロの下位モデルよりもよっぽどこっちのほうが良いよ
コメント
x10の方が、周波数特性良い波形のように見えます
オシロ安くてイイですね
> x10の方が、周波数特性良い波形のように見えます
あ...たしかにそうですね。先入観を持って見ていたので適当な考察でした。ご指摘ありがとうございます。
そしてプローブの倍率についても理解が微妙だったので調べ、当該箇所を書き直しました〜
このオシロはまだガンガン使うということはしていませんが、現状チョコっと波形を見る分には操作性を除いて何も不満はありませんね〜