というわけで、来る全休の日にブレッドボード上に回路を作ってみました。ところで前回負荷を謎に28Ωとしたところですが、ここが出力です。持っているイヤホンの抵抗値を図ったら大体28Ωでしたので、擬似的な出力としました。
さて、トランジスタこんがり事件や、耳もげ音鳴動事件がありましたが一応いい感じのが出来ましたので公開します。
回路図も一部修正しながらブレボに作りました。一応使った部品リストを載せますね。
回路図・使用部品
いかに回路図があるのでわかると思いますが、とりあえず表形式でまとめます。
部品名or素子値 | 図中記号 | 合計個数 | 備考 |
---|---|---|---|
1kΩ | R4, R6, R11 | 3 | カーボン皮膜抵抗を使用 |
200Ω | R9, R10 | 2 | 結構暖かくなる。少なくとも1/4Wの物が良い。 |
1.2kΩ | R2 | 1 | |
4.7kΩ | R3 | 1 | |
120Ω | R7 | 1 | |
10uF | C3, C4, C6 | 3 | アルミコンデンサ |
1000u | C1 | 1 | アルミコンデンサ。値が大きいほど高音域が広がる。 |
0.1uF | C7, C8 | 2 | 電源なので必須。電源のすぐ足元につける。 |
2SC1815 | Q1, Q3, Q5 | 3 | 言わずと知れた汎用トランジスタ。NPN型 |
2SA1015 | Q4, Q5 | 2 | こちらも有名。C1815とコンプリメンタリー。PNP型。 |
これとは別に、電源として9V角電池2つ、オス-オスのイヤフォン用ステレオケーブル、端子を用意しました。電池以外は両耳分作るのであればもう1セット必要ですよね。
回路図は以下です。結局こんな感じになりました。
変更点について述べます。まず入力段ですがCRでハイパスフィルターを形成しています。すなわち、低音域を遮断しています。これは当初は搭載する予定はなかったのですが、どうも低音がうるさい!と感じたため急遽付けました。遮断周波数は計算していません。実際に耳で聞いて抵抗値を調整しました。この値だと、
$$ f_c = \frac{1}{2\pi RC} \simeq 53\mathrm{Hz} $$
となっているはずです。多分。
製作時にあった問題といて、回路が発振してイヤフォンからクソデカサイレン音的な音が大音量で鳴り響き、無事私の耳を破壊したという事がありました。そのため、入力してすぐの場所にGNDとの間に10uFを入れたのですが、回路をいじっているうちになんだか必要なくなってしまったようです。よく分からん。
↑発振の様子。厄介だが見ていて面白い。
エミッタ接地回路ですが、33000uFと言う馬鹿でかい値を使っていました。これは周波数特性を良くするためですが、まあオーディオ用途ではそこまで必要ないでしょう、多分。あ、こんなこと言っちゃオーディオマニア界隈の方々から色々怒られそうな気がしますね。
最右段では200Ωを2つ入れました。これを入れないと無信号時の消費電力が許容値を越えてホッカホッカのトランジスタ焼きが完成します。こうしてもこの抵抗とトランジスタが全体的に温かいです。だから回路図にもwarmと書きました(笑)
R7はエクストリーム増幅率を得るためには不要なのですが、これを付けずにコンデンサとV-をショートした際、全体的にホワイトノイズがかかっていました。たかが1石の増幅だとやはりある程度の増幅度でしかうまみを得られないようです。よってR7は必要っぽいです。負帰還増幅回路を作るしか無いか...?
以下に示すのはこの回路の周波数特性をシミュレーションしたものです。
作った
さぁ、早速作りましたよ!グダグダな配線ミスのせいで小一時間かかりましたが...
↑オタクはオタクらしくデレマスのStar!!を流しました。決してイェッタイガー勢ではありません。
上の写真で赤い導線が縦にありますが、その左側が左耳、右側が右耳となります。全部で10石もトランジスタを使ってしまいました。いいですねぇ、ここまでトランジスタを活用したことはなかったです。音響用ではないと言え、このトランジスタも本望でしょう(?)
反省(音質的なことに関して)
今回は音質はそっちのけで制作しましたが、作ってみたらそりゃ気になりますよね。ということで反省点を備忘録的に述べておきたいと思います。
- ホワイトノイズがバッチリ聞こえる。しかも常に。
- 「のんのん日和」を聴くとわかりやすいです。
- 無音時に低周波ノイズが乗る
- 電源オン時にボッと音がするのをなんとかしたい。心臓に悪いわ。
とまあああ見えて出来栄えは結構ひどいですね。ノイズはブレッドボード上だからということもあるかもしれません。今度はんだ付けしてみます。
実際ホワイトノイズは集中して聞いていなければあまり気になりませんね。僕は幸いにして耳が悪いのでこれでもまあ満足なんですね。今度知り合いのオーディオ好きに聞かせてみたいものですが...